頭蓋内圧亢進症について調べているとPseudotumor cerebri なる言葉に遭遇・・・。
いわゆる特発性頭蓋内圧亢進症と同様の定義のよう。
中年肥満女性、持続性の非拍動性頭痛、反復性の顔面神経麻痺、反復性の
外転神経麻痺MRI正常、造影病変なし、顔面感覚障害も出たことがある。
頭蓋内圧が亢進してⅦ麻痺は珍しいようだが報告はちらほら
・Headache.1997 May;37(5):286-8
・Neurology.1994 Feb;44(2):357
・J Postgrad Med.1992 Jul-Sep;38(3):144-5
海綿静脈洞の疾患だと顔面神経麻痺は合わないし一元的に考えるなら何らかの原
因で頭蓋内圧が亢進したことによるⅦ、Ⅵ麻痺 です。
解剖学的に三叉神経第3枝は海綿静脈洞に入らない てのはちょっと覚えておこう。
今間違いない異常所見は頭蓋内圧亢進だからこれをとっかかりにすべきだろう。
鑑別は基本的なところでは
・産生増進
脈絡叢乳頭腫、
・吸収低下
GBS、馬尾腫瘍、
・通過障害
水頭症、脳腫瘍、癒着性髄膜炎、
・静脈うっ滞
うっ血性心不全、静脈閉塞、
・毛細血管の透過性亢進
髄膜炎、脳炎、頭部外傷、脳腫瘍、脳出血
・頭蓋内占拠病変
脳腫瘍、脳膿瘍、AVM
・その他
Cushing症候群、副甲状腺機能低下症、ステロイド脳症、低Na血症、Reye症候群
薬剤(Pill、ビタミンA、テトラサイクリン、ケタミン)、鉄欠乏性貧血、月経不順肥満者
このなかでMRI正常、髄液細胞数正常、タンパク正常でスクリーンすると
GBS、馬尾腫瘍、静脈塞栓、Cushing症候群、副甲状腺機能低下症、低Na、ビタミンA過剰
ですかね。。。月経と内服は。。。。
あとはMRS、サルコイドーシス、ライム病、CIDP、肥厚性硬膜炎
ここまでなら ホルモン採血、MRV、ガングリオシド抗体提出、胸腹部CTなんかで検査できそう。
あとPseudotumor cerebriで引っかかってきたのは
・トキソプラズマ
・HIV
・妊娠に関連したもの
・シスチン蓄積症
・原発性アルドステロン症との関連
・肥満との関連
・SLE
・
静脈洞血栓のステント治療なんてのも報告されてました。
persistent headacheの鑑別でも静脈血栓とpseudotumor cerebriがあがってました。
頭痛も頭蓋内圧が高いことが原因でもよいのだろうか?
おもろいのは
Am J Med Gernet.1994 May 15;51(1):46-50
遺伝性の骨増殖性疾患で 骨内膜の骨化がおこって頭蓋骨が非常に厚くなり、脳を下方に圧迫することで頭蓋内圧が高くなり、脳神経麻痺が出る。
というもの。
まあでもシマウマ探しですね。正常で症状のない人でも頭蓋骨厚い人はいますもん
なんて言う正常variant だったかな???
記憶の片隅にとどめておこう。
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