2010年11月30日火曜日

島皮質

昨日はとあるSCUで出稼ぎ、特に何もなかったのでお勉強できた。
島皮質について・・・ 正直興味もなかったのだが、自律神経を語るときには必要らしいこと
をマスターSTにお教えいただき、まずは日本語の文章をよんでみた。

・Benarrochは島皮質、扁桃体、視床下部、傍水道中心灰白質、結合腕傍核、孤束核、延髄腹外側部が中枢性に自律神経系を統合するネットワーク(central autonomic network: CAN)を構成し、
循環、内臓運動、神経分泌系の制御に関与している と指摘した。

・CANの異常により睡眠、呼吸障害、不整脈、本態性高血圧が生じる可能性がある。

ふむ。たとえばMCAの広範な梗塞はたしかたこつぼ心筋症のリスクだったと思うが
これは関連しているのか? おもしろいかも。。。MCAでも島皮質にかかるかどうかで
発症頻度が違ったりして・・・・。

自律神経 深いなあ・・・。

autonomic failure

自律神経不全症

あまり耳慣れなかったが、孤発型のALSにおこる交感神経の亢進はこれには当たらず
基本的に血圧の下がる、起立性低血圧、食後低血圧など交感神経hypoactivityを
不全症 failureと定義しているようだ。
生理屋さんと病理屋さんでは使う言語が微妙に異なる。
神経の世界というだけでもマニアックだと思っていたが、
その中でもさらにいろいろな言語があることにびっくりする。

2010年11月29日月曜日

ひいじいちゃん

ひとまず抄録らしいものができたので週末を振り返り。
息子と娘をつれて群馬のじいじ ばあばのおうちへ
ひいじいじ ひいばあばは最近すこし ぼけてきているが赤ん坊をみせると
きれいな笑顔。ありがたいなあ。
おじいさんおばあさんには寄り添っていこうね。 とは確か金八っつあんの
セリフ。
うちのひめさまはこの手をきれいな手じゃというてくださる。、はたらきものの
きれいな手じゃというて下さるんじゃ
とはナウシカの谷のじさまのセリフ。
自分自身も。息子たちにも持っていてもらいたい大切な心の方向

焼肉でじいじの還暦とばあばのpre還暦をお祝いする。
銀行員を勤め上げた義父のことばはいつも深い。
まっすぐをそのまま貫いた男の仕事観。

そのあと妻と妹と飲み屋へ。
進路のはざまで漂う義妹への言葉はそのまま自分への言葉。

自分の父は3年?前にgliobrastomaで逝った。
そんな父が結婚式で語った言葉。

「彼の姓名判断をみたら さすらいのギャンブラーとあった。
しかし彼は非常に恵まれたギャンブラーであったと思う。
よい師にめぐまれ、よい友にめぐまれ・・・。」

まったくその通りであったとおもう。
その後 「運は使い果たしたのかな?」
と思うような時期もあったが、義妹と結婚の話をしながら
ふと思った。

結婚という人生最大のギャンブルに自分は勝っている。

結婚とは と話すと長くなるが、要するに
結婚してみないとわからないことがたくさんあるし、分譲物件を
買うような気分で、よい結婚は手に入らない。
とまあそのような話の中でそう思ったわけだ。

結婚は分譲でなく
二人で土地をみつけて二人でどんな家にするか考えて
木を削って土台をつくって・・・ そんな作業ではないかと思う
であれば 良い物件かどうか?ではなく、家をつくる作業を
ともにしてゆける相棒かどうか?ではないだろうか?
例えはいまいちかもしれないが・・・・。

そんな相棒かどうか の嗅覚を自分は間違っていなかった(多分)
感謝しております。

今週は出稼ぎが多いのでがんばろう・・・。

抄録

論文、抄録、発表のpower pointなど、いろんなとこで細かい注意点
コツなどがある。数値と単位の前は半角あける などだ。
本日のマスターSTのお教え 

・ 抄録のカッコに半角を使わない。
・ 文字数にとらわれて文章にならないようではいかん。
  どこかに大きな無駄がある。
・ ○年目の目 はひらがなにするのが本当。

★自律神経と島皮質について。

2010年11月26日金曜日

基本を押さえよう

家族性ALSの論文をわらわら読んでいるが、どうも学生さんに教えるような基本的な
ところが抜けている気がする。。。

・SOD1 21番染色体 家族性ALSのおよそ20%くらいはSOD1の変異、
・家族性ALSは病理学的に二つに分類。
  ○ 孤発型ALSと区別しがたい 古典型
  ○ 前角、錐体路に加えて後索、クラーク柱、脊髄小脳路も障害される 後索型
    ほとんどは後索型
・そしてその後索型で残存している下位運動ニューロンの胞体内にLewy小体様ヒアリン封入体
 (Lewy body like hyaline inclusion)が認められる。

・臨床的に下位ニューロン優位のものが圧倒的に多い
・Buninaはみられない。

基本は大事。violinは音階が大事。

白質脳症

今日のマスターKDの豆知識
白質脳症の鑑別・・・・ものすごくたくさんあるけれども今日は

後頭部優位に病変がある白質脳症といえば
→ ALD 副腎白質ジストロフィー

では前は?
→ アレキサンダー病

外傷などで生じた軸索障害の出やすい部位は?
→ 脳梁

代謝性の疾患はあまり見る機会がないだけに準備をしておかなくては・・。
忘れるたびにチェックしておきたい。

2010年11月25日木曜日

藤村先生

violinのことを触れていなかった・・・。今日は昼休みに大学からお世話になっている
藤村政芳先生のHPに貼ってあった先生の演奏を聴いた。
これ、、、無料で聴けていいんだろうか???

高校からオーケストラを初めてそりゃあもうどっぷりとつかった。
3回もセンター試験受けているにもかかわらずそれでも大学で
オーケストラに漬かった。 
オーケストラをやっていなかったらもっと堅気の人生になっていたかも
と思うこともあるが、ひょっとするとそもそも医者になっていなかったかもしれない。。

その話はまたいずれ
高校から始めたとはいえ両親はとくにクラシック愛好家ではない。
むしろ知らないほう。 なので自分もよくわからんほう。
当時はクラシックについて熱く意見をかわす先輩方をすこし引いてみていたのだが、
いまとなってはまさしく周囲から引かれる音楽マニアである。
つまりうるさい。

しかしこの藤村先生の演奏・・・・。
いままでももちろんすごいと思っていたが、今日の感想は少し違う。
感情こめてうたっているようにも
聞こえるけどもものすごくコントロールが利いていて、
音楽全体を俯瞰するような、包み込むような、

評論はうまく出てこないが、多分自分は先生の音楽が好きなんだろう。
先生には気持ち悪いといわれるかもしれないがまるで子供に戻って
揺りかごに揺られているような落ち着いた気分になる。

マスコミに騒ぎたてられてなんか変な方向に行ってむしろ自由度の下がった
violin弾きが増える中で、先生の音楽はあくまで自由奔放だ。なのにものすごく
作曲家の意図を明確に反映している気がする。
とくにバッハ。。。古楽奏法的でもあるけどそれに執着せずに・・・
ってきっとそんなことまったく先生は考えていないかもしれない
天才・・・・なんだろうなあ。 
幾度となく一緒の舞台で演奏させていただいたこと 本当に宝ですたい。

12月4日は 大学時代にずっとやってきた四重奏の復活練習会!
楽しみすぎます。
これのために スカッといい抄録を書いてしまおう!

木曜はCPC

12月のCPCの担当になっており、毎週病理の部長の前でプレゼンをする。
今週はどなられずに一応おわった・・・。しかしなんとまあ奥の深い世界である。
世界地図の概要がようやく見えてきた程度だろう。大陸が5つあって、この辺は
海でこの辺にでかい山があって、、、まだそんなとこなんだろうなあ。。。
しかし総会に出す許可はいただけたのでとにかく病理とALSのお勉強をがんばろう。

・視床下核の正確な位置がようやくスライド上確認できた。
・前根より後根のほうが太い・・(いまさらですが)
Pelizaeus-Merzbacher病  ペリツェウスメルツバッハ病
 PLP1遺伝子異常、乳幼児期に眼振と頭部の振戦で発症する中枢のミエリン形成異常
 病理学的に髄鞘島という巣状に染まってくる所見が見られるらしい。
・被殻の小型細胞がへる病気  ハンチントン病
     大型細胞がへる病気  MSA

★視床下核とその周辺の核のかかわり
★オリーブの仮性肥大の病理所見 

2010年11月24日水曜日

SOD1

顕微鏡をのぞく生活が続いている。

経過は伏せておくとして。とにかく多系統に障害されていて線維が残っていない。
調べなくてはならないのが
・同じくらいの経過年数での病理所見 (sporadic と familial)
・多系統に障害されている症例の報告。
・とくに自律神経障害とALS

pubmedでALSとautonomic failureでひいても4件だ。。
根性出して当たります。

2010年11月22日月曜日

お題

★myotonia が舌、grip,Percussion ともに出ることはあまりないかもしれないが、
 myotonia がでるMD以外の疾患は?

  

★淡蒼球 内節がやられる疾患と外節がやられる疾患の違いは?

当直明け

本日のカンファより
・ テグレトール内服中のγGTPとALPの上昇は酵素誘導なのでよほど急激に
  あがって行かない限りは気にしない。
・脳腱黄色腫症
 アキレス腱の肥厚と知能低下、白内障、
 胆汁酸合成障害なので ケノデオキシコール酸低下、コレスタノールの上昇がある。
 神経症候は痙性四肢麻痺、小脳失調
 治療はケノデオキシコール酸の投与

マスターKDの知識はすごいです。。。
不出来なパダワンはこつこつがんばります。

宿題 小脳歯状核周囲に高信号が出る疾患 10個!!?
・脳腱黄色腫症
・肝性脳症
・メトロニダゾール脳症
・DRPLA
・ウィルソン病
・Cockayne症候群
・トルエン中毒(歯状核そのものは低信号)

むむ  あとは・・・?難しい。

2010年11月21日日曜日

さてIIH

頭蓋内圧亢進症について調べているとPseudotumor cerebri なる言葉に遭遇・・・。
いわゆる特発性頭蓋内圧亢進症と同様の定義のよう。

中年肥満女性、持続性の非拍動性頭痛、反復性の顔面神経麻痺、反復性の
外転神経麻痺MRI正常、造影病変なし、顔面感覚障害も出たことがある。

頭蓋内圧が亢進してⅦ麻痺は珍しいようだが報告はちらほら
・Headache.1997 May;37(5):286-8
・Neurology.1994 Feb;44(2):357
・J Postgrad Med.1992 Jul-Sep;38(3):144-5

海綿静脈洞の疾患だと顔面神経麻痺は合わないし一元的に考えるなら何らかの原
因で頭蓋内圧が亢進したことによるⅦ、Ⅵ麻痺 です。
解剖学的に三叉神経第3枝は海綿静脈洞に入らない てのはちょっと覚えておこう。

今間違いない異常所見は頭蓋内圧亢進だからこれをとっかかりにすべきだろう。
鑑別は基本的なところでは
・産生増進
脈絡叢乳頭腫、
・吸収低下
GBS、馬尾腫瘍、
・通過障害
水頭症、脳腫瘍、癒着性髄膜炎、
・静脈うっ滞
うっ血性心不全、静脈閉塞、
・毛細血管の透過性亢進
髄膜炎、脳炎、頭部外傷、脳腫瘍、脳出血
・頭蓋内占拠病変
脳腫瘍、脳膿瘍、AVM
・その他
Cushing症候群、副甲状腺機能低下症、ステロイド脳症、低Na血症、Reye症候群
薬剤(Pill、ビタミンA、テトラサイクリン、ケタミン)、鉄欠乏性貧血、月経不順肥満者


このなかでMRI正常、髄液細胞数正常、タンパク正常でスクリーンすると
GBS、馬尾腫瘍、静脈塞栓、Cushing症候群、副甲状腺機能低下症、低Na、ビタミンA過剰
ですかね。。。月経と内服は。。。。

あとはMRS、サルコイドーシス、ライム病、CIDP、肥厚性硬膜炎
ここまでなら ホルモン採血、MRV、ガングリオシド抗体提出、胸腹部CTなんかで検査できそう。
あとPseudotumor cerebriで引っかかってきたのは

・トキソプラズマ
・HIV
・妊娠に関連したもの
・シスチン蓄積症
・原発性アルドステロン症との関連
・肥満との関連
・SLE

静脈洞血栓のステント治療なんてのも報告されてました。
persistent headacheの鑑別でも静脈血栓とpseudotumor cerebriがあがってました。
頭痛も頭蓋内圧が高いことが原因でもよいのだろうか?

おもろいのは
Am J Med Gernet.1994 May 15;51(1):46-50
遺伝性の骨増殖性疾患で 骨内膜の骨化がおこって頭蓋骨が非常に厚くなり、脳を下方に圧迫することで頭蓋内圧が高くなり、脳神経麻痺が出る。

というもの。
まあでもシマウマ探しですね。正常で症状のない人でも頭蓋骨厚い人はいますもん
なんて言う正常variant だったかな???
 
記憶の片隅にとどめておこう。

一日病院

昨日はナル家が来てくれてビューティフルな土曜日でした。
大学の学園祭を一緒に回る。一昔前に一緒に酔っ払いながらチョコバナナ
売った友人と妻子つれて学園祭を歩く。 よきかな よきかな
息子たちは原っぱのほうがよろしいらしく絶叫しながら農場をダッシュ
そーちゃんがはいったやぶにはいわゆる「ひっつきむし」がいっぱいで
ぜんしんひっつきむしだらけになって号泣(笑)
後で調べたが アメリカセンダングサという外来種らしい。 ほほほ
ずんどこ山のなかへ入っていける少年になってほしい

今日は一日病院。SOD1のお勉強と頭蓋内圧亢進の鑑別疾患・・・。
古文書のようなカルテを読み解き中。。。

2010年11月19日金曜日

頭蓋内圧亢進

さて本日のお題は頭蓋内圧亢進。週末お勉強せねば。

・ビタミンA、クッシング症候群、副甲状腺機能異常、GBSでも高くなる。
・頭蓋内圧亢進で顔面神経麻痺が出ることもあるらしい。

今週は顕微鏡をのぞいている時間が長かった。
病理なんかまったく興味もなかったが、2か月ほど前からちまちまとみていると
すごく勉強になる。 臨床とは関係ないと思っていたけども組織をみることで
これほど日常の疾患のイメージが変わるとは! 
しばらく解剖と病理 そしてSOD1のお勉強。

明日はナル一家が遊びに来る日、ひさしぶりだし楽しみだ。

Melkersson-Rosenthal症候群

Melkersson-Rosenthal症候群 (MRS)
1, 反復する顔面神経麻痺
2, 口唇の腫脹
3, 皺状舌(pilica tongue)

を3徴とする疾患、口唇の生検では肉芽腫形成が見られるため、病理学的にはcheilitis granulomatosaと診断される。

問題の症例は10年前から左右に複数回顔面神経麻痺をきたしていて、ステロイドなどて寛解している。
経過中には構音障害、顔面の三叉神経全領域の感覚障害も経験していて、4年前の入院では
サルコイドーシス、ヘルペス、VZV、ライム、血管炎、などの証拠はつかめていない。
lip biopsyでは慢性炎症性変化・・・。ステロイドで治療されて3年程度ほぼそれ以前の後遺症のみで経過していたが
最近2カ月頭痛、右外転神経麻痺が出現した。

頭痛は2ヶ月間増悪寛解なく持続する、前頭部中心の非拍動性で時折悪心と光過敏をともなう軽度~中等度のもので
脳神経以外には神経所見は異常なし。下唇が腫れていて、舌はほぼ正常、皮疹なし、頭部の毛髪が減少している。

さて。。。ほんとにMRSか??てとこから始めねばなりますまい。
頭痛も外転神経麻痺もMRSにともなってよいのかしら?MRSでないとしたら鑑別疾患は??

あら日本語の文献があったわー
◎ 臨床神経,39:1020-1024,1999

・頭痛はMRSの診断に重要な徴候である(J Allergy Clin Immunol 80:64-67.1987)
・家族例もみられる(この報告も家族例)
・MRSでは古典的3徴以外にも眼球運動障害、味覚障害、視力障害、痙攣発作などが指摘されている
 (J Allergy Clin Immunol 80:64-67.1987)
・しばしばクローン病を合併する(J clin Gastroenterol 18: 213-217.1994)
・オリゴクローナルバンドが陽性のこともある。

うーん 論文内にも書いてあるけどMRSと診断される症例の病因はおそらく単一ではないですな。
この論文を鵜呑みにすればこの症例もMRSと診断できそう。ご家族の舌とか奇形の有無とかを
お聞きしたいところ・・・。

決め打ちしないで多発脳神経麻痺と頭痛で検索すれば・・ むむ多い  あとまわし!

多発脳神経麻痺の自件例を979例!!集めた論文がありました。

◎Arch Neurol. 2005;62:1714-1717

原因としては腫瘍が一番多く(305)、血管障害(128)、外傷(128)、感染(102)、ギランバレー(62)
フィッシャー(29) 特発性海綿静脈洞炎(56)、外科手術合併症(54)、MS ADEM(54)
DM(25)、 と鑑別があがってます。

感染では 細菌性髄膜炎、結核性髄膜炎、クリプトコッカス、ヘルペス、ボツリヌス、mucormycosis(ケカビ症)
cysticercosis, 脳炎、梅毒、骨髄炎、AIDS、アスペルギルス

再発性多発脳神経麻痺は43 例( のべ136 神経)で,原因は順に糖尿病(14 例),特発性で自然寛解する良性例(14 例),特発性海綿静脈洞炎(10 例)という結果だった.脳神経の内訳は顔面神経,動眼神経,外転神経,三叉神経の順に多かった。


海綿静脈洞は造影されていなかったから海綿状脈洞炎ではない・・・と言えるのだろうか??
うーん調べてみよう。

2010年11月18日木曜日

いい時代です

you tubeでベネズエラの若者がものすげえ人数でチャイコフスキーの弦セレを弾いているのを見る。
かのシモンボリバルではないが、すごい迫力。。。 ムラがあったり、表現に乏しかったりとかいろいろケチはつけられてるのだろうけどとにかく説得力あり! 
何をやるにしてもとにかく説得力があるというのは大事だろう。 こういう音楽を動画ですぐ見られる、いい時代です・・・。

さてさて

お勉強と日記を兼ねてブログを始めてみます。
すこしずつすこしずつ・・・。